この記事で取り上げるトピック:
- ドルビーアトモス ADM BWF マスターファイルのエクスポート
- ドルビーアトモス IMF IAB マスターファイルのエクスポート
はじめに
ドルビーアトモスのプロジェクトは、通常1つ以上のドルビーアトモスマスターファイルフォーマットでの提出が必要となります。
マスターファイルの フォーマットには以下が含まれます。
- .atmos ファイルセット – .atmos、.atmos.audio、.atmos.metadata ファイルで構成
- ADM BWF – .wav ファイル
- IMF IAB – .mxf ファイル (ポストプロダクション利用のみ)
IMF IABはマスターフォーマットではなく、メザニンとして考慮されますので注意してください。オーディオは非圧縮ですが、パンニングのオートメーションはIMF IABで量子化されています。
ADM BWFとIMF IABのどちらも、 開いている マスターファイルからエクスポートすることができます。.atmos フォーマットのマスターファイルは、開いているADM BWFまたはIMF IABからエクスポートすることはできません。
.atmos パッケージはDolby Atmos Renderer内で、または Dolby Atmos Conversion Tool を使って、新しいマスターレコーディングの一部としてのみ作成することができます。Dolby Atmos Conversion Tool は、 .atmos ファイルセットをADM BWF、IMF IAB、およびその他のDolby Atmosシアター用マスターファイルフォーマットから作成するのに使うことができます。
ADM BWFとIMF IABのどちらのエクスポート画面でも、マスター全体をエクスポートすることも、ユーザーが指定した範囲をエクスポートすることもできます。この機能は、エンコーディングマスターとして使用するマスターファイルをエクスポートする際に、スレート、同期2ポップ、または不要なポストロールを切り取る場合に特に便利です。
エクスポート操作に使用できるのは48kHzのマスターのみです。 96kHzのマスターはDolby Atmos Conversion Toolを使って48kHzやその他のフォーマットに変換できます。
マスターをADM BWFとしてエクスポート
読み込まれたマスターファイルからADM BWFをエクスポートするには:
- [File] > [Export Audio] > [ADM BWF] の順に選択するか、[Command+A] (Mac) または [Ctrl+A] (Windows) を押します。[Export Master to ADM BWF .wav] のダイアログが表示されます。
- [Choose directory] ボタンをクリックし、ADM BWFマスターを保存する場所を選びます。
- [File name] フィールドにADM BWFファイルの名前を入力します。
- (任意) [Optional settings] のセクションで、ファイルの時間範囲を設定します:
- [Set manually] のラジオボタンをクリック(有効化)します。
- [In] フィールドに、ファイル開始のタイムコード値を入力します。
- [Out] フィールドに、ファイル終了のタイムコード値を入力します。
- [Export] をクリックします。エクスポートのステータスを示すフィードバックがウィンドウオーバーレイに表示されます。
- エクスポートが完了したら(100%)、[Close] ボタンをクリックして、ウィンドウを閉じます。
新しい ADM BWF .wav ファイルが指定したエクスポート先で利用できるようになります。
マスターをIMF IABとしてエクスポート
エクスポート用にIMF IABを構成する際は、主言語を設定する必要があります。これはIMF使用の一環として必須となっています。
マスターの開始と終了がフレーム境界上にない場合、In/Outポイントはファイルの開始と終了のフレーム境界に調整されます。これは、エクスポート用のIn/Outポイントを手動で設定した場合と、入力ファイルの開始から終了までの継承値を使用した場合、どちらの場合にも発生します。
開いているマスターファイルからIMF IABをエクスポートするには:
- [File] > [Export Audio] > [IMF IAB] の順に選択するか、[Command+A] (Mac) または [Ctrl+A] (Windows) を押します。[Export Master to IMF IAB .mxf] のダイアログが表示されます。
- [Export Master to IMF IAB .mxf] のダイアログボックスで、[Choose directory] ボタンをクリックし、IMF IAB マスターのパスを設定します。
- [File name] フィールドにIMF IABファイルの名前を入力します。
- 次のいずれかを行い、主言語を選択します。
- [Primary Language] のドロップダウンメニューをクリックして、希望の言語を選択します。
- [Primary Language] フィールド内をクリックし、最初の文字をいくつか入力してから希望の言語までスクロールして選択します。
- (任意) [Optional settings] のセクションで、IMF IABファイルの時間範囲を設定します:
- [Set manually] のラジオボタンをクリック(有効化)します。
- [In] フィールドに、ファイル開始のタイムコード値を入力します。
- [Out] フィールドに、ファイル終了のタイムコード値を入力します。
- [Export] をクリックします。エクスポートのステータスを示すウィンドウオーバーレイが表示されます。
- エクスポートが完了したら(100%)、[Close] をクリックして、ウィンドウを閉じます。
新しいIMF IAB .mxf ファイルが指定したエクスポート先で利用できるようになります。
IMF IAB .mxfの開始時刻はゼロがデフォルトの設定になります。ファイルを開くときに、カスタムの開始時刻を定義することができます。この情報はファイルには書き込まれませんが、マスターが閉じられるまでRenderer内で参照として使用されます。
Renderer Remoteアプリケーションを使用して実行されたマスターファイルのエクスポートでは、外部ワークステーションへのエクスポートしか許可されません。エクスポートに利用できるのは、外部ワークステーションのローカルドライブのみです。ネットワーク接続されたストレージは利用不可となっていますので、使用しないでください。