この記事で取り上げるトピック:
- ベッドおよびオブジェクトトラックでのグループの使用
- ラウドネス目標を達成するためのVCAの使用
ベッドおよびオブジェクトトラックでのグループの使用
ボーカルトラックや、ドラムのすべてのトラックなど関連するトラックをセットで使用する場合は、ミックスグループを作成すると、関連するパラメータをリンクすることができます。必要に応じて、Pro Toolsの「Modify Groups」画面の「Attributes」および「Globals」タブでオブジェクトコントロールを有効にします。これにより、グループのすべてのトラックのオブジェクトコントロールモード設定とバス/オブジェクト切り替えがグループ化されます。
これは、対象のミックスによって便利なときもそうでないときもあります。バス/オブジェクトの切り替えは、グループではなく個々のトラックで調整した方が使い勝手が良い場合があります。パラメータのグループ化は、複数オブジェクトを使用してサウンドを重ね、1つの全体的なサウンドを作る際、パンニングなどのトラック間で同じ属性をグループ化しておきたい場合にパラメータをグループにしておくと便利です。シングルベッドを使用していて複数のマスタリングパスが必要な場合、ステムを使用してグループのミュートを有効にすると便利です。
また、グループは特定の挿入スロットでプラグインパラメータをまとめるためにも使用できます。これは、複数オブジェクトのコンプレッサー、リミッター、フィルター、EQのコントロールを同一にしたい場合に非常に便利です。
ラウドネス目標を達成するためのVCAの使用
ドルビーアトモスミックスのレベルをコントロールしてラウドネスの目標レベルを達成する(5.1ラウドネスリレンダリングを使用してRendererまたはサードパーティ製のプラグインで測定)ことが難しい場合があります。出力をコントロールする効率的な方法が、ステムグループをVCAに割り当てて個々のステムのレベルをコントロールし、全体の出力レベルをコントロールするために独自のVCAに割り当てたステムVCAから構成されるマスターグループを作成することです。
この方法でVCAを使用すると、既存のダイナミクス処理に影響する可能性があります。ダイナミクス処理の前後でVCAにトラックを適切に割り当てるためには、セッションのバス構造を認識し、ベッドとオブジェクトのバランスがどのように変化するかを認識することが重要です。慎重に使用すれば、VCAはセッション全体を「トリミング」してラウドネス目標を達成できる効果的な方法となります。