この記事で取り上げるトピック:
- Resolveで外部Rendererを使用するための環境設定
- ネイティブのRendererでモニターするための環境設定
- プロジェクト設定の構成
- バスフォーマットと割り当て
- パッチ入力/出力の設定
- リモートコントロール設定の構成
- トラックパス設定の構成
- プリセットの作成と適用
- ドルビーアトモスマスターファイルのインポート
- グループとVCAの使用
- オーディオパンの表示
- オートメーションの表示
- スペースビュースコープの表示
- ネイティブのレンダラーでのモニター
- ドルビーアトモスマスターファイルのエクスポート
- 品質管理のためのドルビーアトモスマスターファイルのNLEタイムラインへのインポート
- IMFパッケージの配信
はじめに
Black Magic DesignのDaVinci Resolveは複数のコンポーネントで構成されており、ドルビーアトモスに関するさまざまな機能を実行できます。
バージョン17が導入され、Resolveではドルビーラボからライセンスを受けて、ネイティブのRenderer for Dolby Atmosが使用できるようになり、マスターファイルをエクスポートできるようになりました。これによりResolve単体でドルビーアトモスワークフローを実行できます。
Resolve 17のFairlight DAWコンポーネントは、ドルビーアトモスのコンテンツ作成、ミックス、モニター、マスターファイルのインポート(.atmosおよびADM BWF .wav)、マスターファイルのエクスポート(ADM BWF .wavおよびIMF IAB .mxf)に使用できます。
NLEコンポーネントを使用して、マスターファイルのインポートや再生/ビデオに対する品質管理を、すべて同じアプリケーションで行えます。また、Deliverコンポーネントを使用してIMFパッケージを出力できます。
ResolveのネイティブRendererでは、7.1.4チャンネルまでのスピーカーレイアウトに対応(対応する出力ハードウェアを使用)しますが、スピーカーアレイやオンボードEQには対応していません。
また、Resolveは内部実行しているDolby Atmos Rendererまたは専用RMW上のMADI経由で外部実行しているDolby Atmos Rendererと接続できます。
Dolby Atmos Rendererはバイノーラルでのモニター、バイノーラルレンダリングモード設定のオーサリング、ラウドネス測定、リレンダリング(バイノーラルを含む)、メタデータ編集、既存のマスターのパンチイン/アウト、MP4エクスポートで必要です。
Resolveで外部Rendererを使用するための環境設定
システムを、Dolby Audio Bridgeを使用してRendererと通信できるよう、以下のように設定します。
- メニューバーから、Davinci Resolve > Preferencesに移動して「System」タブを表示します。
- 「Video and Audio I/O」をクリックします。
- 「Speaker Setup」ペインで、「Device to Dolby Audio Bridge」を設定します。
- モニターはRendererからコントロールするため、「Speaker Setup Outputs」は未割り当てのままにします。
- 「Configure Dolby Atmos Renderer」をチェックします。
- Dolby Audio Bridgeを使用する場合は、「Dolby Atmos Renderer IP Address」に127.0.0.1と入力します。
- 「Base audio output」のデフォルトが「Dolby Audio Bridge」になります。
- 「Save」をクリックします。
ネイティブのRendererを使用するための環境設定
以下の手順で、ネイティブのRendererを使用するようシステムを設定します。
- メニューバーから、Davinci Resolve > Preferencesに移動して「System」タブを表示します。
- 「Video and Audio I/O」をクリックします。
- 「Speaker Setup」ペインで、「Device」を、最大7.1.4モニタリングで12出力のオーディオインターフェイスに設定します。
- 「Monitor set format」のドロップダウンメニューで、「Device」およびスタジオスピーカーレイアウトに適したスタジオスピーカーレイアウトを設定します。
- スピーカーを、必要に応じて具体的な出力に割り当てます。ゲイン調整もできます。
- 「Configure Dolby Atmos Mastering Renderer」のチェックを外します。
- 「Save」をクリックします。
プロジェクト設定の構成
ドルビーアトモスを有効にする:
- メニューバーのFile > Project Settings(Shift 9)またはユーザーインターフェイスの右下にある設定アイコン(歯車)から、「Project Settings」にアクセスします。
- 「Fairlight」タブで、「Immersive Audio」の「Enable Dolby Atmos」をチェックします。
- 「Audio Busing Mode」の「Use fixed bus mapping」を選択解除します。新しいプロジェクトではこの項目を選択しないことで、フレキシブルなバスマッピングができます。フレキシブルなバスにより、自由にトラックをバスに、バスからトラックに、バスからバスにパッチできます。フレックスバスで設定する場合、インポートしたドルビーアトモスのマスターファイルが自動的にベッドおよびオブジェクトトラックにパッチされ割り当てられます。
- 「Save」をクリックします。
バスフォーマットと割り当ての設定
新しいタイムラインを使用する場合、各ベッドと、バスに割り当てる必要があるベッドのオーディオトラックに対するバスを作成する必要があります。
Fairlightワークスペースに切り替えます。メニューバーから、Workspace>Switch to Page>Fairlightに移動するかShift+7を押します。
- 新しいタイムラインを作成して、「Bus Format」と「Bus Assignment」選択項目を表示します。タイムラインにトラックを追加します。メニューバーからFile>New Timelineに移動するかCmd+Nを押します。
- メニューバーのFairlight > Bus Formatから、「Bus Format」画面にアクセスします。
- メインのバスは使用するベッドの幅にしてください。シングルベッドのみを使用する場合はフォーマットを7.1.2にしてください。
- タイムラインで使用する各ベッドにバスを追加します。ドルビーアトモスのマスターファイル(.atmosまたはADM BWF .wav)をインポートする場合、メインバスの代わりに追加したバスが自動的に使用されます。
- 「OK」をクリックします。
- メニューバーのFairlight > Bus Assignから「Bus Assignment」画面にアクセスします。
- この画面には、上部ペインに「Bus Format」画面で作成したバスが表示され、タイムラインに使用可能なトラックが表示されます。タイムラインに追加されたトラックから作成したベッドは、B1 Outに割り当ててください。マルチベッドのトラックは合成ベッドバスに割り当てることも、マルチベッドバスを設定することもできます。
- 「Buses」ペインでバスをクリックしてから、「Available Tracks」ペインでベッドトラックをクリックしてベッドを割り当てます。ベッドトラックに、B1oへの割り当てが表示されます。
- オブジェクトトラックをB1o(メイン出力)に割り当てます。
- 「Assign All」をクリックすると、すべてのタイムライントラックがシングル7.1.2ベッドとオブジェクトワークフローのメイン出力に割り当てられます。
- または、下側の使用可能なトラックからクリックしてドラッグすると、複数の選択項目がハイライトされます。
- この割り当ては、Resolveの外部Rendererを使用する場合はRenderer入力設定と同じにしてください。
- ドルビーアトモスマスターをインポートする場合、ファイルにあるベッドが作成され、インポートされたベッドに割り当てられて独自のバスが作成されます。
- 「Close」をクリックします。
パッチ入力/出力の設定
ベッドとオブジェクトの音声のRendererへのルーティングは、「Patch Input/Output」画面経由で行います。必要なその他のルーティングも、「Patch Input/Output」画面から行います。ドルビーアトモスマスターファイルをインポートすると多くの機能が自動入力されます。
「Patch Input/Output」画面は、メニューバーのFairlight > Patch Input/Outputからアクセスします。パッチはデフォルトのグリッドビューから行います。「Patch Input/Output」には、左側に「Sources」、右側に「Destinations」が表示されます。
手動でパッチを行うには:
- 「Sources」ドロップダウンメニューから音源のタイプを選択します。
- 左側で音源を個々にクリックしてハイライトするか、ドラッグして音源を範囲選択します。誤って範囲選択した場合は、クリックすると選択解除できます。
- 出力先のタイプを「Destination」ドロップダウンメニューから選択します。
- 右側で個々にクリックしてハイライトするか、ドラッグして範囲選択します。誤って範囲選択した場合は、クリックすると選択解除できます。
- 「Patch」をクリックして割り当てを行います。
- 「Source」にはパッチされた「Destination」が表示されます。
- 「Destinations」にはパッチされた「Source」が表示されます。
- 「Un-Patch」をクリックすると割り当てが解除されます。
以下に、「Patch Input/Output」画面から対応する例をいくつか示します。
- Resolveの外部Renderer
- 「Patch Input/Output」画面の設定は以下のようになります。
- 「Bus Assign」画面でB1oに割り当てられたベッドの音源または追加のバスは「Bus Out」です。
- 「Bus Assign」画面でB1oに割り当てられたオブジェクトの音源は「Track Direct」です。
- 選択されているタイムコードの音源は「System Generator」です。
- ベッドとオブジェクト、およびタイムコードの出力先は「Audio Outputs」です。これは、Dolby Audio Bridgeまたはその他の「Video and Audio I/O/Speaker Setup」の「Preferences」で設定したデバイスです。タイムコードは、Dolby Audio Bridgeを使用している場合は129、RMWでRendererを実行している場合は128です。
- 「Patch Input/Output」画面の設定は以下のようになります。
- モニターに使用されているネイティブのRenderer
- 「Patch Input/Output」画面の設定は以下のようになります。
- 「Bus Assign」画面で割り当てたベッドの音源は「Bus Out」です。
- 「Bus Assign」画面で割り当てられたオブジェクトの音源は「Track Direct」です。
- ベッドとオブジェクトの出力先は「Dolby Atmos Send」です。
- モニターの音源は「Control Room Monitor Out」です。
- コントロールルーム出力の出力先は「Audio Outputs」です。これは、「Video and Audio I/O/Speaker Setup」の「Preferences」で設定したデバイスです。
- 「Patch Input/Output」画面の設定は以下のようになります。
- マスターファイルのエクスポート
- 「Patch Input/Output」画面の設定は以下のようになります。
- 「Bus Assign」画面で割り当てたベッドの音源は「Bus Out」です。
- 「Bus Assign」画面で割り当てられたオブジェクトの音源は「Track Direct」です。
- ベッドとオブジェクトの出力先は「Dolby Atmos Send」です。
- 「Patch Input/Output」画面の設定は以下のようになります。
これは、モニター用にResolveで外部Rendererを使用している場合に設定できます。
以下の例では、音源と出力先を強調表示し、「Bus Out」、「Direct Out」、「Timecode」をDolby Audio Bridgeの「Audio Outputs」にパッチしています。
パッチすると、「Patch Input/Output」画面の右上から選択できるラインビューに、より簡潔な概要が表示されます。
リモートコントロール設定の構成
Resolveの外部Rendererでタイムコードジェネレーターを使用している場合、パッチによりタイムコードを生成した後も有効にする必要があります。これは、「Remote Control Settings」で以下のように行います。
- メニューバーのFairlight > Remote Control Settingsから「Remote Control Settings」画面にアクセスします。
- ラジオボタンで、「SMPTE Timecode」を有効にします。
トラックパス設定の構成
オブジェクトとして使用されるFairlightオーディオトラックは、ダイレクト出力を使用して設定する必要があります。
- 「Mixer」で「Path Setting」にアクセスします。
- 「Input」フィールドをクリックして「Path Settings」画面を表示します。
- 「Path Settings」画面で、「Direct Output」を「On」に設定します。
- これは、オブジェクトで使用するオーディオトラックごとに行う必要があります。ただし、1つのトラックでこの操作を行った後、これをトラックプリセットに設定できるため、他のオブジェクトのオーディオトラックにも簡単に追加できます。
- これは、マスターファイルのインポート時に自動で行われます。
プリセットの作成と適用
プリセットライブラリを使用すると、1つのトラックのセットアップ、プリセットの保存、必要に応じて他のすべてのトラックへの適用を簡単に行うことができます。また、トラック、バス、パッチ(テンプレートと同様のもの)を含むタイムライン全体のセットアップを保存して新しいタイムラインに適用してからクリップなどを追加することができます。
「Direct Out」の「On」設定をすべてのトラックに適用するには:
- 1つのトラックを開きます。
- 「Path Settings」画面を開き、「Direct Out」を「On」に設定します。
- Fairlight > Presets Libraryから「Presets Library」を表示し、「Filter By」ドロップダウンメニューから「Global Track Presets」を選択します。
- トラックリストで、「Direct Out」を「On」にしたトラックを選択します。次に、「Save New」をクリックします。プリセットに、オブジェクトに対しトラックの「Direct Output」が「On」であることが明確に分かるような名前を付けます(このグローバルプリセットには、プラグイン、EQ、色などの他の要素も保存されることに注意してください)。
- 「OK」をクリックします。
- 新しいグローバルプリセットがリストに表示されたら、そのプリセットを選択します。
- この設定が必要なすべてのトラックを選択します。
- 「Apply」をクリックします。
設定済みのドルビーアトモスタイムラインを作成するには、目的の設定で必要に応じてトラックを作成してパッチします。その後、以下の手順を行います。
- Fairlight > Presets Libraryから「Presets Library」を開き、「Filter By」ドロップダウンメニューから「Fairlight Configuration Presets」を選択します。
- 現在のタイムラインに合わせた名前をプリセットに付けます(テンプレートで使用されているバスのタイプを含めるようにしてください)。フレックスバステンプレートは、フレックスバスプロジェクトのみで、従来の固定バステンプレートは固定バスプロジェクトのみで使用できます。
- 「Presets Library」を閉じます。
- メニューバーのFile>New Timelineを選択するか、Cmd+N(Mac)またはCntl+n(Windows)を押して新しいタイムラインを作成します。「New Timeline」ダイアログで、「Use Fairlight Configuration Preset」ボックスをチェックします。
- ドロップダウンメニューからプリセットを選択します。
- 「Presets Library」で、「Fairlight Configuration Preset」も使用できるようになります。
- プリセットに基づいて設定された新しいタイムライン
アトモスマスターファイルのインポート
ドルビーアトモスマスターファイルは、ResolveのFairlightコンポーネントにインポートできます。インポートできるファイルは、ADM BWF(.wav)、.atmos、IMF IAB(.mxf)です。
没入型ファイルのインポートでは、以下のようにFairlightワークスペースが自動設定されます。
- 新しいタイムラインが作成されます。
- マスターファイルに入力の説明がある場合は、新しいFairlightタイムラインのトラック名になります。
- ベッドで一意のバスが作成され、これらのバスに割り当てられます。
- オブジェクトがメインバスに割り当てられます。
- Dolby Audio Bridgeを使用している場合、ベッドとオブジェクトが自動的にドルビーアトモスセンドおよびオーディオ出力にパッチされます。
- インポートしたマスターファイルから取得したグループ名と割り当ては、この例のようにFairlightミキサーのオブジェクトグループの割り当てに反映されます。
- インポートしたマスターから取得したグループは、FairlightミキサーのVCAを作成します。これにより以下の例のように、すべてのベッドとオブジェクトが、対応するVCAに割り当てられているグループに割り当てられます。
没入型ファイルをインポートするには:
- Fairlightワークスペースに切り替えます。メニューバーから、Workspace>Switch to Page>Fairlightに移動するかShift+7を押します。
- メニューバーのFairlight > Immersive Audio > Import Master Fileから、インポートする没入型オーディオにアクセスします。
- マスターファイルの場所をブラウズします。
グループとVCAの使用
グループ名と割り当て、VCAは、手動で設定することも、インポートした没入型ファイルから必要に応じて変更することもできます。
タイムラインのトラックをグループに割り当てる、または別のグループに再割り当てするには:
- 対応するミキサーチャンネルストリップの「Group」行内をクリックします。
- 「Group」ダイアログが表示されます 。
- 目的のグループの割り当てのグループをクリックします。没入型ファイルのインポート時にグループが作成されていた場合はあらかじめ名前が付いています。それ以外のグループは数字の名前が付いています。最初の10グループのみがこのダイアログに表示されます。
グループ名を変更するには:
- 右側にスクロールし、ミキサーの出力セクションを展開します。
- 対応するミキサー出力ストリップ内の強調表示されているグループ行をダブルクリックします。
- グループ名のフィールドがオレンジ色で囲まれたら、目的のグループ/VCA名を入力します。8文字以上の名前は切り捨てられます。
- フィールド外をクリックして設定します。
タイムラインのトラックをVCAに割り当てる:
- ミキサーの入力チャンネルストリップの「Group」行内をクリックして「VCA Assign」画面を表示します。
- 「Group」ダイアログが表示されたら、「VCA Assign」をクリックします。
- 「VCA Assign」画面が表示されます。
- 既存の割り当てが表示されます。
- 割り当てを行うまたは変更するには:
- 上部ペインに一覧表示されている目的のVCAをクリックして、使用するVCA/グループ(最大64)を選択します。
- 下部のペインで使用可能なトラックをクリックします。
- すでに割り当てられている使用可能なトラックをクリックすると、割り当てがクリアされます。
- 必要な変更を行います。
- 「Close」をクリックします。
「Group Assignment」ダイアログと「VCA Assign」画面はインタラクティブ形式です。
オーディオパンの表示
パンはネイティブの3Dパンナーで行います。
- ミキサーからパンナーにアクセスします。
- オブジェクトトラックの「Pan」フィールドをクリックします。
- オブジェクトのオーディオパンが表示されます。
- ラジオボタンでパンナーを有効にします。
オートメーションの表示
パンオートメーションは、Fairlightのタイムラインビューで表示および編集できます。
オートメーションはメニューバーのFairlight > Automationから有効にします。またタイムライン上部からコントロールすることもできます。
スペースビュースコープの表示
Fairlightには、すべてのベッドとオブジェクトのアクティビティを表示できるスペースビュースコープがあります。
メニューバーのFairlight > Immersive Audio > Space View Scopeからスペースビュースコープにアクセスします。
ネイティブのRendererでのモニター
Dolby Audio Bridge以外のデバイスを選択し、「Configure Dolby Atmos Renderer」の選択を解除した場合、モニターにはネイティブのが使用されます。またベッドとオブジェクトを、「Patch Input/Output」画面でドルビーアトモスセンドにパッチする必要があります。
トランスポートおよびオートメーションコントロールの右にあるタイムラインツールバーにある、ネイティブのRendererでモニターするためのコントロールです。
ドルビーのロゴが表示されると、ネイティブのRendererがモニターに使用されています。これを選択解除すると、ベッドのみをモニターできます。
ドルビーロゴの右をクリックするとダウンミックスをモニターするドロップダウンメニューが表示されます。
ドルビーアトモスマスターファイルのエクスポート
ResolveではドルビーアトモスマスターファイルをFairlightコンポーネントから直接出力することもできます。マスターをエクスポートするには、前述のように「Patch Input/Output Destination – Dolby Atmos Send」を設定する必要があります。これは、ドルビーアトモスマスターファイルをインポートすると自動的に設定されます。シングルベッドを使用している場合、Fairlightのメイン出力も使用できます。
Fairlightタイムラインから取得したトラック名が、エクスポートされるマスターファイルの入力説明としてエクスポートされます。
グループ名と割り当てられたベッドとオブジェクトもエクスポートされます。
マスターファイルをエクスポートする前に、トリムとダウンミックスコントロールで必要な調整がされているかどうかを、Rendererの設定で確認する必要があります。
- Rendererの設定画面には、メニューバーのFairlight>Immersive Audio>Renderer Settingsからアクセスします。
- 確認後、メニューバーのFairlight > Immersive Audio > Export Immersive Windowから「Export Immersive Master」にアクセスします。
- ファイル名を入力します。
- タイムライン名の他にタグを使用できます。
- ADM BWFまたはIMF IABでエクスポートできます。
- 必要に応じてFFOAを設定します。
- 「Export」をクリックします。
品質管理のためのドルビーアトモスマスターファイルのNLEタイムラインへのインポート
ResolveのNLEコンポーネントを使用して、タイムラインのビデオに対してマスターファイルの品質管理をすることができます。マスターファイルは、トリムしてエクスポートすることもできます。
マスターファイルをNLEタイムラインにインポートするには、以下の手順を実行します。
- ネイティブのRendererを前述の説明に従って使用してモニターするには「Preferences」を設定する必要があります。
- メニューバーのWorkspace>Switch to Page>Edit(またはCut)を選択するか、Cmd+4(Mac)またはCtrl+4(Windows)を押してタイムラインを表示するNLEビューに切り替えます。
- メニューバーのFile>New Timelineを選択するか、Cmd+N(Mac)またはCntl+n(Windows)を押して新しいタイムラインを作成します。
- マスターファイル(.atmosまたはADM BWF wav)をインポートするには、File>Import>Mediaに移動するか、Cmd+I(Mac)またはCtrl+1(Windows)を押します。
- マスターファイルは、「Master Bin」画面に表示されます。ファイル上でCtrlを押し(または右クリックし)、「Clip Attributes」を選択します。
- 「Audio」タブで、スタジオ/編集ルームのスピーカーレイアウトに合ったドルビーアトモスフォーマットを選択します。
- 対応するビデオファイルをインポートします。
- ビデオクリップをタイムラインにドラッグするか、クリップをタイムラインに挿入します。
- ビデオファイルにオーディオがある場合、タイムラインでミュートまたはカットしてオーディオトラックを削除してください。
- ドルビーアトモスマスターファイルを隣のオーディオトラックにドラッグします。
- これは、単一波形の属性を持つフォーマットのシングルトラックとして表示されます。
- メニューバーのWorkspace>Switch to Page>Fairlightを選択するか、Cmd+7(Mac)またはCtrl+7(Windows)を押してFairlightに戻ります。
- マスターファイルがタイムラインに表示されます。各トラックにドルビーロゴが表示され、これが元はRendererのドルビーアトモスマスターファイルであったことを示します。
- クリップ属性のオーディオフォーマットは、タイムラインに配置すると変更できず、ダウンミックスモードも使用できません。クリップ属性のオーディオフォーマットは、新しいタイムラインに配置する場合には変更できます。
- ボリュームの変更、オートメーション、クロスフェード、エフェクトは、レンダリングされたマスターファイルでは使用できません。
- 品質管理を実行します。
IMFパッケージの配信
- ストリーミングサービス向けの配信用IMFパッケージはNLEタイムラインから、ビデオおよびドルビーアトモスマスターファイルを使用してエクスポートできます。
- メニューバーのWorkspace>Switch to Page>Deliverを選択するか、Cmd+8(Mac)またはCtrl+8(Windows)を押して「Deliver」ワークスペースに切り替えます。
- 「Deliver」画面から「IMF」を選択します。
- 「Audio」タブから「Timeline Track」を選択します。
- 「Export Audio」をチェックします。
- 「Timeline Track」を選択します。
- 「Export as Dolby Atmos IMF IAB」をチェックします。
- レンダリングキューに追加します。
- 「Render」をクリックします。
IMFの配信仕様を満たすためには、他にもいろいろな設定が必要です。上記は説明のための例です。
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