この記事で取り上げるトピック:
- RME HDSPeとTCOカードまたはRME HDSPe MADI FXを使ったWindows RMW(Dell 7920)での関連ソフトウェアと構成
- RME MADIFaceXTを使ったMac RMWでの関連ソフトウェアと構成
- MADI RMWでの同期の構成
はじめに
MADI RMWには、MADI I/O専用のソフトウェアが追加されています。ワークステーションは、Dolby Atmos Mastering Suiteの正規販売代理店が設定、検査してお届けします。
ユーザーの介入を必要としない場合がほとんどですが、構成を理解し、通常の操作やトラブルシューティングにどのアプリケーションが使われているかを知っておくことは重要です。
RME HDSPe MADIおよびTCOカードまたはRME HDSPe MADI FXを使用するWindows RMW
ドライバとアプリケーション
Dell 7920には、適切なRMEドライバとファームウェアがインストールされています。ドライバとファームウェアをアップグレードしないでください。
Dolby Atmos Rendererと一緒に2つのRMEアプリケーションがインストールされます。
- 「Hammerfall DSP Settings」コントロールパネル
- TotalMix FX
どちらも、以下のようにWindows 10のタスクバーの右側にある非表示アイコン記号「^」からアクセスできます。
「Hammerfall DSP Settings」コントロールパネルのみ、ユーザーがアクセスして、ハードウェアのフレームレートを設定し、カードごとの適切な同期設定を確認する必要があります。
TotalMix FXアプリケーションは、販売代理店から提供されるもので、出力1と2をユニティーゲインにリセットする調整が1つ施されています。TotalMix FXアプリケーションには、それ以外の役割はなく、トラブルシューティングのためにのみ使用します。ゲイン、ルーティング、またはDSPの調整を行うと、Dolby Atmos Rendererの適切な機能が阻害されます。
RME TCOカードは、RMWとDolby Atmos Rendererのクロック信号を受け取ります。通常、これは「Master Clock」(MC)からの「Word Clock」です。
WCは、デバイス間でデイジーチェーンするのではなく、分散させることが重要です。
RME TCOカードは、RendererとDAWを同期させるためのLTC入力にも対応しています。
RME MADIface XTを使用したMac RMW
MacベースのMADI RMWには、必要なドライバとファームウェアがインストールされており、FirefaceのUSB設定やTotalMix FXのユーティリティもインストールされています。これらのユーティリティはRMWの通常の操作では使用せず、操作には特定の方法で構成をする必要があります。
48kHzのワークフローでは、「Fireface USB Settings」を以下のように設定する必要があります。
これらの設定を変更する必要があるのは、96kHzのワークフローに切り替えるときだけです。
MADIfaceでは、LTCは本機の「Mic 1」XLR入力に入るように設定されています。この入力をRendererのチャンネル129に送るために、RME TotalMixソフトウェアで以下の変更を行う必要があります(注:認可されている販売代理店から購入したRMWでは、すでにこれらの変更が行われています)。
TotalMixを開いた状態で、「Matrix View」にいることを確認します(「x」を押します)
一番下の段(「Hardware Outputs」)で出力129/130にスクロールします。レンチのアイコンをクリックしてチャンネル設定を表示します。
「Stereo」ボタンをクリックすると、チャンネルが2つのモノチャンネルに分かれます。
チャンネル129で、「Loopback」ボタンをクリックして「Loopback」を有効にします。
一番上の段(「Hardware Inputs」)で、チャンネルの下部(AN 1/2の表示)をクリックし、ドロップダウンリストからチャンネル129を選択することで、「Mic 1」の出力を129にルーティングします。
これで信号は「Hardware Input 1」から「Hardware Output 129」にルーティングされます。
TotalMixの他のパラメータを変更しないことが重要です。信号が再ルーティングされてしまい、ワークフローに影響を与える可能性があるからです。なお、アプリケーション内でスクロールホイールを使用すると、誤ってパラメータを変更してしまうことがあります。
MADI RMWでの同期の設定
WindowsベースのMADI RMWでは、DAWからLTCを生成する同期周辺機器で同期を行います。LTCはRME TCO同期カードに直接接続されます。Dolby Atmos Rendererでは、外部同期ソースがASIOに設定されています。
WindowsやMacのMADI RMWのLTCはオーディオチャンネルを使って受信します。Dolby Atmos Rendererでは、外部同期ソースの設定がオーディオでLTCになっており、入力チャンネルが指定されています。
LTCはMADIfaceXTのアナログマイク/ライン入力を経由して接続され、RME TotalMixアプリケーションのループバック機能を使って内部にルーティングされます。または、LTCのアナログオーディオ信号を外部でMADIに変換し、MADI入力2のチャンネル64を使用することができます。
ナビゲーション
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